2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

由来案内・法華経寺

法華経寺の黒門を入ったところは普通の町並みだが、少し進むと赤門がある。 ■■■ 正中山(しょうちゅうざん)法華経寺は、祖師(そし)日蓮の足跡(そくせき)がみとめられる日蓮宗の霊跡(れいせき)寺院・大本山です。 中世、この地は八幡荘谷中郷(やわた…

中国近代史・日露戦争の余波

義和団事件の際にシベリア鉄道を完成していたロシアは中国東北に出兵し、そのまま居座った。これに危機感を抱いた日本は、日露戦争に踏み切る。 戦場は主に中国東北部で、日本は辛うじて戦勝し、旅順・大連の租借権と南満州鉄道などの権利をロシアから引き継…

中国近代史・清朝の滅亡

1908年11月14日、清朝第11代光緒帝が毒殺(犯人不明)され、翌日には西太后も没する。光緒帝には嗣子がなかったため帝位は弟の子溥儀(ふぎ)が3歳で嗣ぐことになる。 他方、孫文らの蜂起はなかなか成功しなかったものの次々と各地へ広がり、蜂起組織は一致…

闘病記・2019年5月29日

昨夜、主治医から検査結果を告げられた。 詳細は控えるが、ざっくり言えば癌の急速拡大が始まったということ。つまり最終局面が近い。 抗がん剤はドセタキセルに決まったが、仮に効いたとしても残り時間は長くならないとのこと。 ただ、今回の入院はひとまず…

随筆・米テレビドラマ「エレメンタリー」を観る

このところ、AmazonPrimeVideoでアメリカのテレビドラマシリーズ「エレメンタリー」を観ている。お馴染みシャーロック・ホームズもので、2012年に放映開始された。日本ではWOWOWとテレビ東京で1・2シーズンが放送されたようだが、Amazonでは現在1~5シーズン…

闘病記・2019年5月28日

午前、東京医科歯科大学付属病院へ5度目の入院。 一般病室に空きがないため、1日5940円の特別室になる。いわゆる差額ベッドというやつで、特別室といっても一般病室と同じ4人部屋だ。違うのはテレビと冷蔵庫の使用料が無料というだけである。 初日はお決まり…

由来案内・法華経寺の黒門

JR総武線下総中山駅は法華経寺の門前町の最寄り駅である。駅の北口から数分北に行くとまず黒門がある。■■■ この門は法華経寺の総門で、全体が黒塗りとなっているため黒門と呼ばれています。建立年代は明確ではありませんが赤門(仁王門)の創建と同じ、江戸…

北京百景・円明園

円明園は清の康煕帝の時に雍親王(後の雍正帝)の離宮として建設された建造物で、アロー戦争の時、北京を攻撃したイギリス・フランス軍により略奪、破壊され、廃墟のまま公開されている。広大な敷地に建築物などの残骸の一分だけが残る。にも関わらず、年間…

闘病記・2019年5月24日

1ヶ月ぶりの眼科(東京医科歯科大)だった。 視力はほぼ回復して、右1.2左1.0とのこと。実はそんなによかったんだ。ただ老眼なんで、実感がない。 角膜損傷は、抗がん剤起因の方は大分いいそうだが、もともとドライアイもあるとのことで、1日8回の目薬は別の…

由来案内・真間の井と亀井院

手児奈霊堂の通りを挟んだ北側に亀井院がある。その本堂の裏の小さな日本庭園の奥に真間の井と伝えられる古井戸がある。 ■■■ 万葉の歌人高橋虫麻呂は、手児奈が真間の井で水を汲んだという伝承を聞いて、 葛飾の真間の井見れば立ち平し水汲ましけむ手児奈し…

中国近代史・義和団事件

アロー号事件による天津条約でキリスト教が清朝内陸への布教を認められるようになると、各地で住民とのトラブルが発生し、時に教案と呼ばれる集団的事件に発展するようになる(「天津教教案」参照)。 ことに山東省においてはこの傾向が著しく、大刀会、梅花…

闘病記・2019年5月21日

本日は1ヶ月ぶりの呼吸器内科受診の日である。天気予報どおり朝からの雨なのでタクシーを使うつもりだった。が電話はなかなかつながらず、つながっても車がないとのことで、結局電車にした。 診察も体調は悪くないので特に問題ないが、咳が出るので咳止めを…

映画雑感・恐怖の岬

弁護士サム(グレゴリー・ペック)に対して、自分の罪を陥れたと逆恨みする性犯罪者のマックス(ロバート・ミッチャム)がサム一家を執拗につけ狙うというストーリー。1962年制作だが白黒なのがかえって効果を出している。 この映画ではロバート・ミッチャム…

由来案内・手児奈霊堂

「真間の継橋」のすぐ北には「手児奈霊堂」への参道の入口があり、市川市教育委員会による由来書がある。 ■■■ 奈良時代のはじめ、山部赤人が下総国府を訪れたおり、手児奈の伝承を聞いて、 「われも見つ人にも告げむ葛飾の真間の手児名(奈)が奥津城処」 歌…

由来案内・真間の継橋

市川市真間(まま)は万葉集にも登場する歴史ある地名だ。かつては断崖下の入江だったようで、継橋があったとされる。 ■■■ その昔、市川市北部の台地と、その南に形成された市川砂州との間には、現在の江戸川へ流れ込む真間川の河口付近から、東に向かって奥…

中国近代史・戊戌の変法

下関条約調印の年、科挙試験のため北京を訪れた康有為は、この機に皇帝に改革の必要性を上書を提出(広車上書)し、これに同調した光緒帝は康有為らの改革派を登用して戊戌(1898年)の変法を強行する。 しかし保守派はこの光緒帝による改革の混乱を逆手にと…

随筆・書きたかった小説

定年退職したら中国近代史を題材にした小説を書こうと思っていた。この分野を書く作家は少なく、にもかかわらず題材は多いからだ。 現在の代表的な作家と言えば、まず浅田次郎が挙げられるが、中国近代史小説4部作が完結してしまい、今後はわからない。唯一4…

由来案内・回向院の猫塚

両国回向院には猫塚というのもある。そこには「猫の恩返し」と題する墨田区による由来書が添えられている。■■■ 猫をたいへんかわいがっていた魚屋が、病気で商売ができなくなり、生活が困窮してしまいます。すると猫が、どこからともなく二両のお金をくわえ…

由来案内・八達嶺の大砲

北京の八達嶺(いわゆる万里の長城)は明代の長城の姿を最も残しているとされ、1967年に長城を修繕したときには当時の大砲が出土しており、その由来が記された。 ■■■ 陈列着的五门古炮,是明代守卫八达岭长城的武器。其中最大的一门,炮筒长2.85米,口径105…

映画雑感・ウィンストン・チャーチル

日本語のサブタイトルに「ヒトラーから世界を救った男」とつけられたこの作品は、第二次世界大戦におけるイギリスの戦時内閣で、最後までナチスに屈しない姿勢を貫いたチャーチル首相を描いたものだ。映画ならではのデフォルメは多いが、全体的には歴史に沿…

中国近代史・興中会創立

日清戦争の最中、ハワイ(王国)のホノルルにいた孫文は、「駆除韃虜(打倒清国)、恢復中華、創立合衆政府」をスローガンに、興中会(こうちゅうかい)という革命団体を立ち上げた。 孫文より8歳年上の康有為(こうゆうい)は、満州族による支配否定を優先…

由来案内・烟袋斜街

北京西城区の鼓楼から目前の地安門大街を南にわずか進むと右手に入る細い脇道があり、入口には「烟袋斜街」と記された牌坊が立つ。 これをくぐって道が別れる辺りまで行くと、この通りの由来を書いたボードが設置されている。 ■■■ 烟袋斜街长232米,清《乾隆…

中国近代史・日清戦争

日清戦争は朝鮮が清国の属国だったのを日本が開放するとの名目のもとに行われた闘争だった。こう書くと、現代人の目からはいかにも日本に正義があるように見えるが実態は違う。 第一に、当の朝鮮は清国の地位に不満があったわけではない。むしろ日本に独立を…

映画雑感・風と共に去りぬ

この映画は誰もが名作だと絶賛しているし、アカデミー賞も作品賞、監督賞ほかを受賞しているので感想を言いにくいところではある。前にも書いたと思うが、見る時代が違いすぎて今評するのは難しいのだ。 スカーレット・オハラを演じる主演のヴィヴィアン・リ…

北京百景・老舎記念館

王府井といえば日本人でも多くの人が北京の繁華街であることをご存知であろう。だがそのメインストリートを一歩入ったところに、かの作家老舎の記念館があることは案外知られていないのではなかろうか。 もっとも、老舎の方が今の日本人には遠い存在かもしれ…

北京百景・金锭橋

北京北海の北に什刹海(シーチャーハイ)と呼ばれる3つの池からなる遊楽地がある。その一番南の前海から流れ出る川に架かるのが金锭橋(きんていきょう。「てい」は金偏に「定」)である。 この橋は歴史あるものというわけではなく、玉河の整備の延長として…

由来案内・十方普覚寺の瑠璃牌坊

北京植物園内の奥に釈迦涅槃像を安置する十方普覚寺がある。牌坊(パイファン)は門の一種で、日本でいえば神社の鳥居のようなものだ。 ■■■ 琉璃牌坊建于清乾隆年间,四柱三间,单檐歇山黄琉璃瓦顶,饰以黄绿琉璃瓦,华丽精美,五彩斑斓,突出地表现了清代皇…

随筆・地元でランチ

定年になって2年ほど過ぎたころから、地元のランチを食べ歩いてみようと思いたった。時間が有り余っていたし散歩をよくしていたので、ついでにという思いつきもあった。 ランチといっても店はたくさんある。多いのは中華系かもしれない。いわゆる町中華とい…

中国近代史・北洋水師の創設

日本との台湾戦争で海防の必要性を感じるようになった清朝は、北洋通商大臣兼直隷総督・李鴻章の主導で北洋水師(艦隊)を創設した。 艦隊の主力艦としてドイツから7000トン級の定遠と鎮遠を中心に西欧から艦船を買い入れ、短期間に世界第八位の海軍を整備す…

中国近代史・天津教案

アロー号事件の事後処理として締結された天津条約以降、欧米各国の宣教師によるキリスト教の布教活動が始まった。すると各地で住民とキリスト教会との間にトラブルが頻発するようになった。 そんな折、天津で幼児が失踪する事件が相次いだ。民衆の間では、教…