中国近代史・日清戦争

日清戦争は朝鮮が清国の属国だったのを日本が開放するとの名目のもとに行われた闘争だった。こう書くと、現代人の目からはいかにも日本に正義があるように見えるが実態は違う。
第一に、当の朝鮮は清国の地位に不満があったわけではない。むしろ日本に独立を強いられることに不満があった。第二に、日本は本当はロシアが日本を脅かすと思い込み、朝鮮にロシアが進出するのを食い止める必要があると思い込んでいた。だが実際にはロシアには当時そのような野望はなかった。
これらにも関わらず日本は清国との戦争を始めた。北洋水師のところでも述べたように、清国海軍は張り子の虎であって日本海軍の敵ではなく、陸軍も清国は良いところがなくあっけなく敗れた。
開戦から半年余りで戦争は終結し、下関条約によって日本は賠償金や清国領土の一部を獲得する。だが奪った領土は直後のフランス、ドイツ、ロシアの三国干渉によって放棄させられる。
日清戦争に関してこれで終わっている史書も多いが、下関条約以降も日本は台湾領有を目論んで1年余り台湾戦を続け、1年後にとうとう台湾を占領する。その後今日まで台湾が大陸政府と一体になったことはない。