病気・がん用語入門(10)

(10)「浸潤」と「転移」

「転移」は、原発から離れた部分にがんが飛び火して広がることなのに対して、がんが原発の周囲にしみ込むように広がることを「浸潤」という。

浸潤したがん細胞は、さらに血管やリンパ管の中に侵入し、原発から離れた臓器への転移に至る。つまり、浸潤と転移は一連の過程を成すものである。

転移による広がり方には、その経路によって、①リンパ流を介するリンパ性転移、②血行を介する血行性転移、③気管支などの管を介する管内性転移、④上唇のがんが接触する下唇に広がるような接触性転移、⑤腹腔(腹部の内臓がおさまっているところ)内などにばらまかれて広がるような播種(はしゅ)性転移がある。