病気・がん用語入門(3)

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(3)「癌腫」と「肉腫」

上皮細胞から発生するがん(上皮性腫瘍)を「癌腫
」という。癌腫は、その発生部位によって、肺がん、乳がん胃がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がん喉頭がん、咽頭がん、舌がんなどと呼ぶ。

また、癌腫は上皮細胞の種類によって、さまざまな名前がつけられている。液体や粘液などを産出する上皮細胞に生じるがんを「腺がん」、皮膚の外層である表皮の下層(基底層)に生じるがんを「基底細胞がん」、皮膚の外表面のすぐ下や、多くの器官の内側を覆っている扁平上皮細胞に生じるがんを「扁平上皮がん」、膀胱、尿管、腎臓の一部(腎盤)などに存在する移行上皮(尿路上皮)に生じるがんを「移行上皮がん」という。

癌腫に対して、骨や筋肉などの非上皮性細胞から発生するがんを「肉腫」という。代表的な肉腫には、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫がある。

心臓にできるがんは肉腫である。心筋は無数の横紋を有する筋繊維からなる横紋筋で構成されていて横紋筋肉種と呼ばれる。

なお、「癌腫」と「肉腫」を合わせて「固形がん」と呼ぶことがある。