随筆・癌だと語った人の話②

先日、入院するときタクシーに載って、ドライバーに行く先を告げたら、自分も来月には違う病院だが入院すると話し出した。
「実は腎臓がんで手術することになっています」という。手術前に抗がん剤は使ってないとのことなので、腫瘍は小さく、進行もそう早くないのだろう。
ところが、「実は1年前にも肝臓がんの手術をして肝臓を3分の1切り取ってます」と付け加えた。転位ではなく次々とがんを発症する体質(?)のようだ。先日亡くなった女優の樹木希林さんもそうだったようだ。
こういう方に「きっと大丈夫ですよ」などと根拠のないことをいうのはよくないと承知しているので、「お大事に」とだけ言って話題を終えた。