病気・血液検査用語入門(3)

ーーーーー
(3)血色素とは

血色素(ヘモグロビン)は、主成分が鉄であるヘムという赤い色素(血液の赤い色は、血色素によるもの)と、グロビンというたんぱく質からできていて、赤血球の中に含まれている。

赤血球が身体の中に酸素を運ぶのは血色素のおかげで、そのもとであるヘムに、酸素をつかまえる性質があるからだ。つまり体内では、赤血球という船に乗った血色素が酸素という獲物をつかまえて隅々まで運ぶ、という運搬作業が休みなく行われている。したがって、血色素が不足すると貧血になる。

検査結果が正常でないときに疑われることやわかることは、⑴鉄欠乏性貧血は鉄分の不足によるもので若い女性に多く、病気やケガによる出血が原因の貧血は痔・胃潰瘍子宮筋腫などで、気づかないほどの少量の出血でも長期に続くと貧血になる、⑵悪性貧血はビタミンB12の不足による、⑶再生不良性貧血は骨髄の造血能力が落ちる、⑷溶血性貧血は赤血球の寿命が短くなって、骨髄での製造が間に合わない。