中国近代史・愛琿条約

清国が太平天国の乱やアロー戦争で苦しんでいるのに乗じて、ロシアが中国に干渉する。従来曖昧だったロシア・清間の国境をロシアの有利に確定しようとして愛琿条約の締結を迫ったのだ。
ロシアは交渉に乗らなければ黒竜江アムール川)にいるロシア艦隊が周辺を砲撃すると脅す。
清国の奕山(イーシャン)が、これに屈して調印したのが愛琿(アイグン)条約である。
その主な内容は、①黒竜江以北はロシア領土とする、②ウスリー川より東(沿海州)はロシアと清国の共同管理とする、というものである。
これによりロシア領は大幅に拡大するなど、圧倒的にロシア有利の不平等条約であった。