映画雑感・シェルブールの雨傘

40年以上昔、外国映画にはまっていた高校時代があった。当時住んでいた長野市には映画館が少なかったので、大半の映画はテレビで見た。その頃はテレビで多くの映画が放映されていたが、それでも当時ロードショーとかスクリーンなどという雑誌でタイトルや主演者などの知識を得ただけで、実際には見られていない映画も数多い。そういった映画でもなぜか今でも覚えているものが結構ある。カトリーヌ・ドヌーヴ主演の「シェルブールの雨傘」もそのうちの一つである。
物語は、シェルブールで恋人同士になった傘屋の娘ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)と自動車修理工ギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)のもとに、ギイへ召集令状が届くことに始まる。この傘屋が並べる傘のカラフルさや配置などが何とも洒落ている。
ギイの出兵前夜に二人は結ばれ、出兵後ジュヌヴィエーヴはギイの子を宿すことに気づく。だがギイの不在に不安の募るジュヌヴィエーヴは他の男との結婚に踏み切ってしまう。
やがてギイは除隊と鳴って帰国し事実を知り、自暴自棄になりながら別の女と結婚する。
そんな二人が最後に互いを認めるように一瞬の再開をして、物語は幕を閉じる。
この映画は何と言ってもカトリーヌ・ドヌーヴの演技力が、彼女の美しさとともに強く印象に残る。出演者の歌はすべて歌手による吹き替えであり、それを知ってしまうと点数を下げたくなる向きもあろうが、映画の完成度という点で見ればむしろプラスと言えるのではないだろうか。
(鑑賞メディア:GYAO! 字幕版)