随筆・「孤独のグルメ」を見る

テレビのドラマを見る習慣が、なぜか若い時から全くない。それがある時テレビ東京の「孤独のグルメ」をたまたま見て、それがまた偶然インターネットのアマゾンのアプリで過去の全編を見られると知って、一月ほど費やしてそれを見るに至った。
このドラマはグルメレポートの延長のような感じで、普通のドラマとは趣を異にする。主演の松重豊は表情で演技する。いつか「ふらっとQUSUMI」のコーナーでゲストの女性が松重を眉間で演技すると言っていたが、うまいと思った。だが実際には眉だけでなく微妙な表情で見せてくれるのがいい。
もう一つは音楽がいい。これも「ふらっとQUSUMI」で演奏メンバーが出演したことがあるが、その時は話題に上らなかった。どこがいいかというと、毎回同じ数曲を使っているのだが、たびたび編曲が使われ、他の番組では聞けない変化を楽しめることだ。こういう多分新しい試みを誰が考えているのか分からないが、思わず才能を感じてしまう。
最後に、極めて個人的趣味をいえば、「ふらっとQUSUMI」のコーナーは不要だ。ドラマはドラマで良く、普通の人が何を食べても旨いなどと言っているのは却って興を失わせるように思うがいかがだろうか。