由来案内・小太郎地蔵尊

JR総武線小岩駅に端を発する商店街フラワーロードの半ばの脇道を入ったところに小太郎地蔵尊という小さなお堂がある。その由来がちょっとかわっている。
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小太郎地蔵尊は栃木県那須郡塩原町小太郎ヶ淵から大正十二年(一九二三)旧東京市本城区横網町に、居住していた千村みつが、母より引き継いで小岩村(当地)に開創したものである。昭和七年(一九三二)千村みつは、当地で小料理屋を開き小太郎地蔵尊を奉り信仰をしていた。お客の中には、いろいろの事で悩んでいる人が多くおり、小太郎地蔵に伺ってお告げを頂き答えてあげると、総て良い方向に解決が出来た。小岩住民にとって、悩み事を聞いて貰え解決が出来る店として評判となり、錦糸町および千葉周辺からもお客が押し寄せるほど、店は大繁盛していた。また、太平洋戦争昭和十六年〜二十年中も、絶えず避災祈願を行っていた事から、小岩地域が全く災害に遭わずに済んだと、地域住民は小太郎地蔵尊のご利益と喜んだのである。その後も、地元出身第四十四代横綱栃錦を始め衆議院議員島村一郎都議会議員加藤好夫、歌手岡晴夫、他多数の著名人も参拝に訪れる様になった。昭和二十一年(一九四六)七月五日、小岩地域の名誉職や住民の御奉賛によって、小太郎地蔵尊の本堂を建立されたものである。 平成十四年十月吉日
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小料理の屋号が何であったか、店はいつまであったかなどは今ではわからない。
いま由来に縁のある人はほとんどいないだろうが、境内は清掃が行き届いていて老朽化もしていないのには感心するほかなく、思わずお堂に手を合わせたくなる。